スポンサーリンク

CUDAプログラムのdll化

普通のdll作成と何一つ変わらないので記事にするか迷ったのだが、一カ所だけわかりにくかったので念のためにまとめておく。

環境は Visual C++ 2017 + CUDA 9.2

 

手順は以下の通りである。

①VC++でCUDAプロジェクトを作成

cudadll_1

②kernel.cuファイルの中身を普通に書く。ただし関数名はmain以外にする

 

#include "cuda_runtime.h"
#include "device_launch_parameters.h"
#include <stdio.h>
#include <cstring>
#include "cudadll.h"

__global__ void hello(char *c) {
  c[0] = 'h';
  c[1] = 'e';
  c[2] = 'l';
  c[3] = 'l';
  c[4] = 'o';
  c[5] = '\0';
}
//この関数の名前はmainではなく、呼び出す際に適切な名前にする
void func_hello(char **c_cpu) {

  const size_t LEN = 6;// LEN = strlen("hello") + 1;
  char *c_gpu;

  cudaMalloc((void**)&c_gpu, LEN);//GPU側にメモリを確保

  hello << <1, 1 >> >(c_gpu);//GPU側の関数を呼出

  cudaMemcpy(c_cpu, c_gpu, LEN, cudaMemcpyDeviceToHost);//GPU側から実行結果を取得

  cudaFree(c_gpu);//GPU側のメモリを解放
}
③ヘッダファイルを作成し、_declspecを追加

ソースコードに、_declspec(dllexport) , _declspec(dllimport)の分岐プリプロセッサを書き、先ほどのcall_cuda_funcの先頭につける。

cudadll.h

#ifdef __DLL_EXPORT_DO
#define DLL_PORT extern "C" _declspec(dllexport)
#else
#define DLL_PORT extern "C" _declspec(dllimport)
#endif
DLL_PORT void func_hello(char **c_cpu);
④プロジェクトの構成をdllへ変更

プロジェクトの設定を開き、[全般]→[構成の種類]をdllへ変更。それに伴いターゲットの拡張子も.dllへ変更

cudadll_2

⑤CUDA側が_declspec(dllexport)となるようにマクロを追加

[構成プロパティ]→[CUDA C/C++]→[Host]の[Preprocessor Definitions]で、④の分岐で_declspec(dllexport) が入るようにマクロを定義

cudadll_3

⑥exeのプロジェクトを作成し、呼び出し

#include "../cudadll/cudadll.h"
#pragma comment(lib,"cudadll.lib")
int main()
{
  char c_cpu[12];
  func_hello( (char**)&c_cpu);

  puts(c_cpu);

  getchar();
	
  return 0;
}

 

基本的に、普通のDLL生成と全く同じである。違いは、

A. dll側のプロジェクトのファイル名が、   (上記②,③)

  •  普通のプロジェクト ... function.c/function.h
  •  CUDAプロジェクト ... function.cu,function.h

 

B. _declspecの分岐のためのプリプロセッサを定義する場所が、   (上記⑤)

  •  普通のプロジェクト ... [C/C++]→[プリプロセッサ]→[プリプロセッサの定義]
  •  CUDAプロジェクト ... [CUDA C/C++]→[Host]→[Preprocessor Definitions]

 

の二点である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


この記事のトラックバックURL: