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旅のラゴス

 

 

 

・「おれ」の一人称。

・~た。

・超能力系のSF

・ページ数:250

・筒井康隆

 

一度文明が滅んだ世界で、主人公ラゴスの旅の最中に起こった様々な事件が、一話完結で12ほど納められている。

一話完結とはいえ前後のつながりはちゃんとあるので順番に読むべき。

 

きわめて哲学要素が強い作品。超能力もたいしたものはなく、人や他の生物と共感するとか、壁抜け(ただしすごく時間がかかる)とか、そんな類で、あくまでも世界観としての立ち位置に忠実。戦闘ものではないため戦いのシーンはほぼ出てこない。そういう意味ではアクション性はない。ただし馬で盗賊から逃げたりはする。

笑い所はないが作品としてはとても「きれい」な類で、落ち着いて読める。

 

 

 

 

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遅い夕食は夫人と令嬢の吟味によるまさに貴族の晩餐と呼ぶにふさわしいもので、それはただのホテルの宿泊客に出す料理のようではなく、その上その食事はたったひとりの客であるおれと、主人のドリド氏との会食であり、夫人と令嬢の給仕によるものであった。夫人と令嬢はこの上なく高貴であり、令嬢の愛らしさは例えようがなかった。おれは夢見心地で食べ続けた。

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「ラゴスさん、あんた石火箭が扱えるかね」

おれはそのことばで一も二もなくとび起きた。「襲撃だな。盗賊団か」

身支度するおれにシャクロは揉み手を続けながら説明した。「奴隷狩りだよ。この町の南西二百キロのところに銀山があって採掘業者が銀鉱を開いているのだが、鉱夫を傭わずに奴隷を使っている。その奴隷の数が少なくなると近くの村へ出かけて奴隷狩りをやるのだが、まさかこんな大きな町を襲うとは思わなかった。奴隷の数がよほど不足しているんだろう」

「連中、どれぐらいいるんだ」

「朝がた、見張りの傭兵が城壁の上から見たところでは、約八十人が町を取り囲んでいるそうだ」

「こっちの傭兵の数は」

「二十人とちょっと、それに警備隊員が予備役も入れて二十五人前後」

「そいつはえらいことだな」

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